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【体感! 木馬亭】4月番組 配信開始

体感!木馬亭

 

2018.4月 撮影分の番組を映像公開しました!こちらからご覧ください



 皆さま、いつも「浪曲×Tファン」メールマガジンをご愛読いただき誠にありがとうございます。
 さて、『体感!木馬亭』最新映像公開のお知らせです。今回は、4月5日(木)に浅草木馬亭で行われた定席の模様をお送りいたします。
ご出演の皆さま、演目は以下の通りでございます。



1 富士実子「吉良の仁吉」            曲師 馬越ノリ子

2 東家孝太郎「あたま山」            曲師 沢村美舟

3 花渡家ちとせ「秋色桜」            曲師 馬越ノリ子

4 国本晴美「仲乗り新三」            曲師 沢村豊子
 
5 東家若燕「侍子守唄」             曲師 青山 理

6 天中軒雲月「徳川家康 人質から成長まで」    曲師 佐藤貴美江

7 東家浦太郎「五郎蔵と初五郎」         曲師 東家一太郎
 

 今年の春は初夏のような好天が続き、撮影の4月5日も平日ながら浅草は朝から多くの観光客で賑わっておりました。残念ながら桜はとうに散ってしまっていました。


 さてトップバッター富士実子さんの演目は「吉良の仁吉 前半」。この作品は、慶応2年(1866年)に伊勢の国で起きた博徒の抗争事件をもとに講談、浪曲化されたものです。浪曲では「荒神山」というシリーズ名で描かれていますが、吉良の仁吉は「荒神山」登場人物の中でも最も義理堅く、男の中の男といっていいでしょう。今回はその吉良の仁吉を襲う悲劇のきっかけが語られます。曲師は馬越ノリ子さん。


 続いては東家孝太郎さん、落語演目の「あたま山」、曲師は新進気鋭の沢村美舟さんです。お二人の初共演という貴重な映像です。もとは落語の枕として使われた小話を八代目林家正蔵(1895年~1982年)が一席噺として膨らませた作品です。上方落語では「さくらんぼ」の題で演じられています。また、2002年に第75回アカデミー賞短編アニメーション部門にノミネートのほか、多くの受賞歴がある山村浩二氏の短編アニメ作品「頭山」がご記憶にある方も多いでしょう。この作品の音楽・三味線・語りは故国本武春師でした。


 お次はいつも笑顔の素敵な花渡家ちとせさんの「秋色桜」、曲師は再び馬越ノリ子さんです。この作品については演芸脚本家の稲田和浩さんに詳しく解説を執筆いただいでいます。ぜひご一読ください。


 本日の中トリは大ベテランの国本晴美さん、演目は「中乗り新三」、曲師は沢村豊子さんでした。主人公は大衆演劇や映画でも定番の筏乗りの新三です。妻子と別れ、渡世人となった新三は、草鞋を脱いだ親分への義理から人を切るがそれが大間違いで、実は悪行を積む親分の片棒を担いだことに気づきます。その誤りを悔い改める過程で木曽山中に赴き、そして母の住む茶屋へ行く場面を切り取ったのがこの浪曲です。ひと昔前なら、「中乗り新三」の物語全体を知っているお客様がほとんどでしたが、原作をご存じない現代のお客様への対策が必要なのかもしれません。


 中入り後のトップは東家若燕さんで「侍子守唄」、曲師は佐藤貴美江さん。東家若燕さんは今年の10月11日に浅草公会堂で行われる「第52回豪華浪曲大会」において四代目柳家小柳丸を襲名することが決まりました。この日は富士路子さんも五代目東家三楽を同時襲名いたします。さて、「侍子守唄」ですが、若燕さんはもちろん東家系の作品もお持ちですが、こちらは港家系の作品です。大名跡の襲名が決まった若燕さんの美声をお楽しみください。


 続いてのご登壇は今年芸能生活50周年をお迎えになる天中軒雲月さん。出し物は「徳川家康 人質から成長まで」、曲師は沢村豊子さん。徳川家康についてはご存じない方はおられないでしょう。ただ、幼少期は複雑なので整理しておくとこの浪曲が分かり易くなります。

・1542年、松平家当主広忠の嫡男として生まれる。幼名竹千代、母は於大の方。
・3歳で於大の方の実家が松平家と敵対する織田家と結び、於大の方は離縁。
・6歳、松平家は織田側と対抗するために今川家と同盟、竹千代を人質に差し出すが、護送中に織田側に奪われる。当主織田信秀は松平広忠に降伏を催告するが、これに従わない。
・竹千代は織田家の菩提寺・万松寺に預けられ、その間に若き織田信長と出会う。
・8歳、今川家は勢力を広げ、今川・織田の人質交換で竹千代は今川家の人質となる。
・19歳、桶狭間の合戦で敗れた今川から解放され、岡崎城に戻る。
いやはや、徳川家康の幼少年時代はまさに波乱万丈でした。


 さて、本日の最終口演はご存知、東家浦太郎さん。まさに円熟の芸といえる味わい深い浪曲を楽しませてくれます。出し物は「五郎蔵と初五郎」、東家一太郎さんの三味線。この作品も稲田和浩さんの解説文をお楽しみください。

 

 

次回予告『体感!木馬亭』映像公開は5月5日(土/祝)撮影分を予定しています。この日はゴールデンウィーク特別企画公演で「甚五郎と名工」と題され、口演された演目は左甚五郎はじめ伝説の名工を題材にした作品の特集です。7月下旬公開予定です。乞うご期待!